ごはんの種は蜜の味

二進も三進もいかないアラサーなオタク女の日々

2017年はから紅に染まった

突然だが、私は物忘れが激しい

 

すでに今年、何を観たのかまともに覚えていない。
と言うより、今年だと思った記憶が実は去年のことだったなんてこともある。
でも5年ぐらい前のことを鮮明に覚えていたりもする。

 

 

それはさておき、私がハッキリ今年観たと断言できる作品で、何を推すかと言うと、劇場版名探偵コナン から紅の恋歌である。

 

私の失われがちの曜日感覚を呼び起こす(水曜日がサンデー発売、土曜日がアニメ放送)『名探偵コナン』の、今年で21作目を迎えた劇場版作品である。これだけは絶対に2017年に観たって断言できる!逆算したら2017年だもの!

 

以下、ネタバレは一応配慮している。
と言うかこれ読んで内容が分かるのはもうエスパーだと思う

 

 

◇三角関係に火花散らして花が咲く


「名探偵コナン から紅の恋歌」特報

 

しのぶれど 色にいでにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで

百人一首40番 平兼盛

 

今回のメインキャラクターは、西の高校生探偵・服部平次とその幼馴染の遠山和葉、そして新キャラクターの大岡紅葉だ。

端的に言うと、から紅の恋歌三角関係の話である。

平次と和葉は、両想いではあるのだが、お互いの気持ちを打ち明けていない。ただし周りにはバレバレである。何故本人同士だけが気づいていないのか、コナン七不思議の一つである(と勝手に思っている)。

 

原作において、平次は現在、和葉に告白する最高のロケーションを模索している。コナン=新一がすでにロンドンで蘭に告白をし、つい最近正式に恋人同士になったので、ハードルを上げられている。しかしまぁ読者視点から言えば、もう和葉は告白待ちだから、気張らんと枚○パークでもユ○バでも御堂○のイルミでも海○館でも吉本グランド○月でも、とにかくさっさと告白すればいいのにと言う気持ちはある。

 

平次がもだもだしている間に、不意打ちのように登場した大岡紅葉。彼女は自称・平次の婚約者である。

自称と言うのは、平次がそう認識していないからなのだが、紅葉曰く、平次と幼い頃に約束した、と……しかもその証拠まで、コナンと蘭は発見してしまう。

 

大岡紅葉は、競技かるたを牽引する皐月会の一員であり、高校生皐月杯争奪戦のチャンピオンである。現在は高校二年生だが、中学三年生で特別枠出場をしたため、現時点で連続2回の優勝を果たしている。競技かるたにおける日本一の称号・クイーンを得るのも確実視されているほどの実力者だ。ウェーブのかかった短い茶髪にぱっちりとした眼と、勝ち気そうな容貌をして美人。
何よりも巨乳である。これは公式設定であり、私の主観ではない。通常、胸を潰して寸胴になって着る和服の上からでも巨乳だと、平次が判断するぐらいだ。なお、原作にも登場しているのだが、そこでもあるキャラに巨乳だと感心されている。

 

いきなりポッと出で登場した平次の婚約者・紅葉!これで波乱がないわけがない!
平次に「うちの未来の旦那さん♡」と猛烈なアタックをかます紅葉に、平次のお嫁さんの座をかけ、かるたでの勝負を挑まれる和葉!平次のあずかり知らないところで女同士の対決に火花が散る!!

 

この映画で和葉が実はかるた部の部員だったり、平次の母が元クイーンだったりと、原作を読んでいても全く出てこなかった設定がポーン!と追加されている。
ちなみに「しのぶれど…」は、和葉の得意札として登場。紅葉の得意札は「ちはやふる…」など紅葉の情景を歌った六首。これらの歌は物語でも重要な役割を果たしている。

 

◇表の物語と裏の物語


「名探偵コナン から紅の恋歌」予告

 

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
百人一首77番 崇徳院

 

実は『から紅の恋歌』は、平次・和葉・紅葉の三角関係は「表」の物語

では、表に隠れた「裏」の物語とは。
それは、皐月会メンバーの矢島が殺害され、日売ビルが爆破された事件に端を発する一連の出来事の、犯人の真の動機だった。

 

ヒントは三角関係、そして初恋
真相が明らかになった終盤、映画館で「これは…報われん…ぞ…!でも生きろや!」と涙が出そうに。もっとも、来年劇場版の予告でトドメさされてしばらく本当に動けなかったんですけどめちゃくそ興奮して。

 

動機そのものは、賛否両論の印象。ネットのレビューとか読む限りでは。でも私は「ああ、こうなってしまったら、そういう気持ちになるよな…悔しいもんな…でも踏み越えてはいけない一線ではあったから、共感するのがつらいなそれは…」と煩悶した。なんか、分かるんだけど、あまりに悲しい動機だった…。

あまり言いすぎるとネタバレなのでここまで!

 

から紅の恋歌、オススメだけど観る前に奨めたいこと

そう、これ一番言っておきたかった。

から紅の恋歌』を観る前に、是非原作あるいはアニメの「そして人魚はいなくなった」の回を予習としてチェックして欲しい。これからDVDで観るって人は特に。ネットでもそう推奨している人、結構いるし私も賛同。

 

原作では28巻、アニメではDVDのPART 9 Volume 2に収録されている。
手に入るなら名探偵コナンDVDコレクション 8:服部平次にも同話が採用されている。

 

名探偵コナンPART9 Vol.2 [DVD]

名探偵コナンPART9 Vol.2 [DVD]

 

探したら他にも収録されているものがあるかもだけど、ひとまずこれで。

 

何故「そして人魚はいなくなった」が重要なのか。

それはー…クライマックスに関係することで。これ観ているか観ていないか(あるいは覚えているかいないか)で、感動の度合いが本当に違う。観たら分かるけど、言うとネタバレなんだ。
いやでも分かりやすく言うとクライマックスは「そして人魚はいなくなった」を観客が観ている前提と言っても良い、だからこそ盛り上がるように設計されている展開。そうでなければ、平次が和葉に言い放った言葉に、和葉が安心するように身を委ねたのか(若干やらしい言い方だけどそうとしか言えない)、それをもっとハッキリ理解できる。

 

あの台詞は、平次にとっても、和葉にとっても、大事な台詞なのだ……。
リア充め…。

 

ともあれ、私が『2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》』に推す作品は『劇場版名探偵コナン から紅の恋歌と言うことで!

 

 

アマゾンにはびっくりするぐらいDVD及びBlu-rayの種類があるので、とりあえず私が買ったバージョンの紹介ページを貼付けておく。ちなみに去年の『純黒の悪夢』はDVDとBlu-rayの両方を買った

多分来年も同じテーマで書いたとしたら『ゼロの執行人』って書きそうだ。