ごはんの種は蜜の味

二進も三進もいかないアラサーなオタク女の日々

アマでも小説が書きたいんや!①語彙力はMP

 

◆前置き

 

管理人は腐女子で、しがない同人作家でもある。
好きで書いているので、指示や校閲を受けながら執筆しているわけではない。

 

プロとアマの違いは「それによって生活しているか」とよく言われるが、小説家に関してはデビューをしても専業で食べていくのは難しいとされる。
よって小説家に関しては「正式な仕事として出版社から依頼されて、商業で出版したことがあるか」がプロとアマの境界と考えて良いかもしれない。

 

それはさておき。
迸るパッションを表現したい。同人誌を作りたい。二次小説を書きたい。
そういう気持ちになった時、どうしたらいいのか。

 

書けばいいのだ。


しかし、書きあぐねている人は多い。
日本語だからすぐに書ける!と思ったら、高確率で「うっ…」と詰まる。
文章を繋げられないのだ。言葉が出てこなくなる。
辞書を引こうにも、どう引けばいいのか分からない。
乗り越えなくてはいけない壁があるのは分かるのだが、その壁をどう越えればいいか、の前に、そもそも壁がどこにあるのか分からない。そんな状態に陥り、筆を置いてしまう。

 

アァーーもったいないー!書いて!私の推しカプの小説を!!!!

 

 

前置きが長くなったが、いわゆるプロではないものの、好きで同人で二次小説を書き続けている人間ではあるので、アマ向けの小説の書き方と言う方向で話をしていこうと思う。

 

 

◆語彙力はマジックポイント

 

小説だけでなく、文章をすらすらと書ける人と、そうでない人の差がどこで出るのか。
それは「語彙力」だ。

英語のテストに向けて、英単語を覚えた人は非常に多い。あれと同じことだ。いかに文法を叩き込んでも、単語を知らないとそもそも文章を作れない。もとい、他者に思っていることを伝えられないのだ。

日本語も同じだ。また、日本語の小説は基本的に「同じ表現を繰り返すのはよくない」とされる。様々な意見はあるが、およそ共通する考えは「単調になって飽きる」からだ。

 

同人界隈でよく言われているのが、小説は日本語(母国語)だから誰でも書ける、と言うことである。確かにそうだ。日本語で文章を書いたことがない、日本国籍で日本在住の人間は殆どいないだろう。

(一方で絵を描くのは、義務教育中ならまだしも、高校以降は選択授業になることも多く、専門的に勉強するものと言う意識が強い。そのため特殊技術に見えがちだ。ましてやストーリーがある漫画は、それ以上に難しい…と考えられている)

だが、それでも書けなくなるのは、語彙力=文章表現のストックが、普段文章を書いている人に比べると、初心者は圧倒的に足りないからだ。

 

初心者はまず本を読め教則本やハウツーサイトで言われる理由は、まさにそこにある。

 

逆に言えば、ある程度の読書量がある人は、語彙が脳内に蓄積されている。それを適切に使う方法を学べばいい。つまりRPGで言うと、MPの数値は高いのだが、高い威力のある魔法は使えない状態と考えればいい。

MP=語彙、魔法=表現、と言うことだ。

読書は殆どしない、でも絵は描けないから小説で……と思い、書き始める場合は、そもそものMPの数値自体が低いと考えて良い。自分のMP値以上の魔法を使うことばかり考えていると、何もできなくなるのは至極当然と言える。

 

そして語彙力を高めるにはどうしたらいいのか。
それはもう、日々の積み重ね以外にない。本を読むしかないのだ。
正直に言って、小説を年単位で書き続けている人は、プロアマ問わず、すでに積み重ねたものを持っているので、手っ取り早く自分達と同じレベルになるような方法があるなら自分達が知りたいのだ。

それ使ってもっとレベル上げたいから。

だが、あえて言えるとすれば、読書量=蔵書量ではないこと。そして読むのは小説に限らないこと。これぐらい。

 

周囲に対して蔵書『量』を自慢する人間もいるが、それは「ふーん」ぐらいで聞き流していい。この量だけを自慢する心理は長年私もよく分かっていなかったが、最近になって痛バッグに手を出し「キャラにどれだけ金かけているかをマウンティングしたい」人の存在を知ったので、恐らくそれに近しいものがある。

痛バッグに関して書いた記事は以下の通り。

naranomi.hateblo.jp

ちなみに、蔵書量ではなく、どんなものを収集して、どういう知識を得ているか、具体的に話してくれる人の話は参考になる。つまり、自分の蔵書のポイントを心得ている人は、その分野に関する知識が深い。
手当たり次第に買い集めて、読みもせずに死蔵し、冊数「だけ」が拠り所と思われる人は本当に「うちには○万冊あって〜」としか言わない。「なんでもあるよ〜」って人に、具体的にこの本があるかと聞いてもだいたい返事はない。

もちろん、例外と思われる、真の乱読派な読書家はいるが、そうした人はそもそも何万冊の蔵書がと、それを売りにはしない。まともに数えている暇があれば本を読んでいるような人だからだ。

 

長くなったが、うちには本を置くスペースがない…だから読書はちょっと、と言うのは待って欲しい。正直に言う。読めるなら電子書籍でもいい。図書館を利用してもいいし、友人と貸し借りをしても、ともかく読書をしたなら、それはもう読書なのだ。

蔵書を増やすことが読書ではない。知識、語彙、表現、ともかく本から何かを得る行為が読書なのだ。

 

もっとも、勉強のために読む、と言うのはなかなかハードルが高い、もといモチベーションが保ちにくいので、やはりゆるーい気持ちで読める本も傍に置いておくと落ち着く。そしてゆるく読める本も「リラックスして読める」利点がある、つまり学ぶ点があると考えて良い。

あとは小説以外の本も読むこと。
漫画でもいいし、専門書でもいい。ネットの記事でもいい。ただ、ネットの記事はある程度の真偽判別が必要なため、鵜呑みにしない。ニュースサイトの記事でネタを拾うのも面白い。

 

◆便利な魔法『慣用句』

 

最後に語彙力を高めつつ、表現力も広げていく場合。
優先的に学びたいのは「慣用句」だ。
「匙を投げる(=諦める)」「喉から手が出る(=どうしても欲しい)」などが慣用句となる。言わば言い換えであり、同じ言葉を繰り返すと単調な印象になる日本語の文章、特に小説では重要な存在となる。
ただ注意すべきは、使い方を間違えると意味が全く通らなくなってしまうこと。MP消費がそこそこでも高威力を発する魔法だが、呪文を失敗すると効果がない…と言ったところだ。

これは高校の頃の国語便覧があれば、だいたい見開き分ぐらいは載っているので、それを読んで意味ごと覚えるのが案外有用だ。
慣用句の辞書を買ってくるのも良いのだが、覚えると言う点では、辞書よりも慣用句を主体にした国語ドリル(中高校生向けのもの)で、とにかく網羅的に覚えて数を増やす方が楽だと私は考えている。

 

◆余談と『作家刑事毒島』

 

人とは言え、小説を書いている人の多くは、それなりに日々積み重ねたものを持っており、常に積み重ねている。確かに、ポッと出ていきなり人気作家に!と言うこともないわけではないが、そうした人が出た場合はそれなりに話題になる。話題になる、と言うことは、そう滅多にあることではないことの裏返しだ。 

そのことについては『作家刑事毒島』でも描かれている。同人の話もほんの少しだけ出てくるが、タイトルにある名前の通り、毒舌炸裂でワナビ会心の一撃しか飛んでこない推理小説なので、同人やりつつ実はこっそりプロも目指したいな〜っと思っている人で、Mッ気があったら読んでみて欲しい。

作家刑事毒島

作家刑事毒島

 

 

◆三行でまとめた

 

つらつらと書いた時点で「長い、三行にまとめろ」と思われてしまうのは必然なので、とりあえずまとめておくと。

 

同人小説を書きたいけど書き進められない人は

語彙力(MP)を高めるため色々と本を読むか、

慣用句を覚えればグッとハードルが下がるよ!

 

と言うだけのお話なのである。

 

 

 

 

 

そのうち、しがない同人作家が使っているツールとか、辞書とか、そういうのまとめた記事を書きたいな〜。